人材紹介会社を活用した採用について思うこと
あなたは今、応募を検討している司法書士事務所である弊社の採用サイトを、直接訪れてくれています。
人材紹介会社を利用したことのある方、現在登録している方もいると思います。人材紹介会社には、求職者に代わって求人を探し、条件を整理してくれる便利な面があります。その一方で、人材を採用する中小企業の経営者として、日頃感じていることもあります。ここでは、採用する側の本音を率直にお伝えしたいと思います。
人材紹介会社の仕組み
人材紹介会社は、求人事業者へのヒアリングをもとに求人票を作成し、自社のネットワークに求人情報を掲載します。そして、登録者の中から条件に合う人材を探し、求人事業者へ紹介します。
一般的には、採用が決まった時点で紹介手数料が発生する成功報酬型が多く、手数料は賞与見込みを含む想定年収の30%程度などと設定されています。たとえば、想定年収が400万円であれば、紹介手数料は120万円です。
早期退職の場合には手数料の一部が返金される契約もあります。しかし、その対象期間は入社後1か月、3か月、6か月など比較的短く、勤務がある程度継続した後に退職した場合には、返金されないことが一般的です。
求人票だけでは、事務所の本当の姿は伝わらない
本当によいマッチングを実現するためには、人材紹介会社にも、求人事業者のことを深く理解してもらう必要があります。
しかし、実際のヒアリングは、勤務条件や業務内容など、求人票を作成するための確認にとどまることが少なくありません。担当者が事務所を訪れたり、既存の職員に話を聞いたりする機会も、通常はほとんどありません。そのため、事務所が何を大切にしているのか、どのような仕事を得意としているのか、職員同士がどのように協力しているのかといった、求人票には表れにくい特徴まで理解したうえで紹介してもらうことは、なかなか難しいのが実情です。
これは、求職者についても同じかもしれません。その方がどのような人生設計やキャリアプランを持っているのか。どのような環境で力を発揮できるのか。3年、5年と働く中で、どのような成長を望んでいるのか。
そこまで丁寧に把握したうえで、本当にその人に合う職場を紹介できているのかについて、採用する側として疑問を感じることがあります。
紹介手数料は、中小事務所にとって小さくない負担です
このように、事務所と応募者の双方を十分に理解した紹介になっているとは限らない中でも、採用が決まれば、たとえば120万円という紹介手数料が発生します。
もちろん、採用したからには、すぐに結果が出ないからといって簡単に見切りをつけることはしません。仕事を覚えるには時間がかかりますし、その人のよさが見えてくるまでには、ある程度の期間が必要です。私たちは、ご縁があって入社した方には、できる限り長く働いてもらえるよう、根気強く育てたいと考えています。
ところが、時間をかけたにもかかわらず、1年が経つ頃、やはり一緒にやっていくのは難しいと互いに判断して退職となった場合、紹介手数料は返金されません。返金規定は6か月超1年以内の退職には適用されないのが通常です。
人を大切にして、一定期間は様子を見ながら育てようとするほど、早期退職を前提とした返金制度は、実際には利用しにくい仕組みでもあります。
紹介会社を通じた応募には、慎重にならざるを得ません
その結果、人材紹介会社を通じた応募については、採用する側も慎重にならざるを得ません。これは、応募者本人に問題があるという意味ではありません。通常の給与や社会保険料に加え、仕事を教え、成長を支えるための時間をかけるだけでなく、さらに100万円を超える紹介手数料を負担することになるからです。
中小事務所にとって、その金額は決して小さなものではありません。採用の入口で大きな費用が発生する以上、事務所との適性や長期的な勤務の可能性について、どうしても慎重に判断することになります。
直接応募だからこそ、できることがあります
このような採用環境を少しでも変えたいと考え、私たちはこの採用サイトを立ち上げました。直接応募であれば、事務所の考え方や仕事の内容を、誰かを介さずにお伝えできます。応募する方からも、これまでの経験や将来の希望、仕事について不安に感じていることなどを、直接聞かせてもらえます。
また、紹介手数料として外部に支払う費用を、採用後の教育、資格取得の支援、職場環境の整備など、入社した方のために使うことができます。
大手事務所と中小事務所の違い
人材紹介会社が必要とされる理由も理解しています。大手事務所では、採用人数も退職者数も多く、年間を通じて求人を行っているところがあります。採用件数が多い事務所は、人材紹介会社にとっても紹介しやすく、優先的な紹介先になりやすいでしょう。また、事業規模が大きければ、1人当たり100万円を超える紹介手数料も、採用経費として吸収しやすい面があります。
一方、弊社のような中小事務所にとって、120万円という金額の重みは異なります。その120万円を稼ぐために、職員一人ひとりがどれだけの仕事を積み重ね、どれだけ頑張ってくれたのか。そのことを、経営者として強く意識しています。
よいご縁を得るために必要な費用であれば、支払うこと自体を否定するものではありません。ただ、同じ費用をかけるのであれば、できる限り、これから一緒に働く方の成長や働きやすさのために使いたいと思っています。
この採用サイトを読んで、弊社の仕事や考え方に少しでも関心を持っていただけた方は、ぜひ直接ご連絡ください。
紹介会社から渡された求人票だけでは分からないことも含めて、私たちのことを率直にお話しします。そして、応募される方のお話も、直接、丁寧に聞かせていただきたいと思っています。
